先住民族の名称について
みなさんは、自分が他の国でどのように呼ばれているか想像したことがありますか?
Exonym (エクソニム)とは、第3者から付けられた呼称のことです。反対の意の言葉はEndonym(エンドニム)、
もしくはオートニム(Autonym)といい、本人が呼ぶ名称を意味します。例えば母国語では「日本 ニホン ニッポン」
という国名が他の言語、英語でだと「Japan ジャパン」となる。「日本」がエクソニム、「ジャパン」がエンドニムと
いうことになります。詳しい説明はこちらで)
このようなケースが民族をさす呼称になったとき、問題がやや難しくなります。
アメリカ先住民をどう呼ぶか、というのはいまだにしっかり解決されていない問題です。「インディアン」という言葉は、 参考文献 注1: このページ内で指す人類学者とは英語のアンソロポロジスト(Anthropologists)です。日本では「人類学」と言ったときは、形質人類学のみを指しますが、アメリカでは人類学と言ったとき、文化人類学(民族学)、考古学、そして形質人類学をまとめたものを指します。 注2: ちなみに「アイヌ」という呼称はどうなんでしょうか? 「アイヌ」、「アイヌ民族」、「ウタリ」、正直ハマンダも勉強不足でよくわかりません。ハマンダは留学中なので、基本的に英語で論文を書きます。”Ainu”と書いています。ブログなど日本語で書く場合は「アイヌ民族」と呼称しています。呼称についての北海道ウタリ協会などからの公式な発表なのについてご存知の方がいましたら、メールください(勉強不足ですいません!)。
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差別的意味が入っているとされ、最近は使わないようにしています。代わりに「アメリカ先住民」「ネイティブアメリカン」
などの呼称が使われます。しかし、アメリカ先住民の方々の中には、自分たちを「インディアン」と呼ぶ人がまだまだたくさんいます。
ハマンダの友人であるアメリカ先住民の若者はこういっていました。
「俺はインディアンという名前を使い続けるよ。コロンブスはこの土地に来たときにインドを間違えて、
それで俺たちの先祖をインディアンと呼んだらしい。マヌケな話だ。つまり、俺らはインディアンという
呼称を使い続けることによってコロンブスという奴のマヌケさをアピールしてるんだ」。
まぁ 一個人の意見といえばそれまでですが、とても印象に残りました。
アメリカ先住民族をどう呼ぶか― 難しい問題ですが、最近一つの解決策がアメリカの人類学者の中で広まり
つつあります。それは、各民族が自分たちで用いる名称(つまりエンドニム)で呼べばいい、というものです。民族学で
有名なKwakiutl(日本ではクワキウトル族ですか?)、と呼ばれていた北アメリカ北西海岸の先住民族がいます。
現在は、彼らの要求もありアメリカの学者は、彼らのことをKwakwaka'wakwという彼ら自身の名称を用いています。
クワクワカワァー です。同じくカナダ北西海岸に住むNootka(カタカナだとヌットゥカですかね?)の人々は、最近では
Nuu-chah-nulth(ヌーチャァナァ)と呼ばれています。
イギリス人 James Cook (クック船長です)がカナダに到着したとき、今のバンクーバー湾に入ろうとしてきました。
そこに住んでいたNuu-Chah-Nulthはこのどこから来たかよくわからない巨大な帆船に向かって叫びました。
”nu.tka?icim, nu.tka?icim!!”
Nuu-chah-nulthの言語で、「湾に入るな」つまり「船を動かせ」という意味です。実は湾内は浅瀬なので、そのまま
Cookの帆船が入ってくると座礁してしまうから、Nuu-chal-nulthはそう叫んで知らそうとしたそうです。クック船長は
「インディアンが自分達の名前を叫んでいる」と勘違いしたそうです。それ以来、Nuu-chal-nulthの呼称はNootkaとなったそうな。
クック船長は、カンガルーの名付け親としても有名ですね。そのときも勘違いだったようですが・・・。
アメリカ先住民、ネイティブアメリカンといった呼称がありますが、これらはあくまで数多くの先住民族を一まとめにした呼び名です。
アジア人(Asian)と言うのと同じようなものでしょうか。実際には、アメリカ先住民族は「ネイティブアメリカン」と一くくりにはできない
ぐらい数多くの民族の集まりで、文化や生活習慣も多様なものです。言語に関していうと、現在カナダとアメリカ合衆国である土地では、
約250もの異なる言語が話されていました。
各アメリカ先住民族の呼称で呼ぶことによって、「ネイティブアメリカンという一民族がいる」との間違った考えを直すことができます。
各民族の呼称で呼ぶことによって、実は我々が呼ぶ「アメリカ先住民」というのは多民族であり、多文化であり多言語である、
という考えを広めることができます。先住民族からの依頼もあり、アメリカの人類学者は研究対象の先住民族に、「あなたがた
をどう呼んだらいいですか?」と聞き、その名称を使います。小さなことかもしれませんが、学者と先住民族の関係を改善する上で
とても大事なことです。学者、特に民族学者は「異文化/異民族の語り部」としての権威を持っています。学者が率先して
エンドニムを用いることによって、一般社会である少数民族についての間違った知識や偏見を改めることができます。
日本では、いまだにKwakwak’wakwはクワキウトルと呼ばれているみたいです。面倒くさいなどと思わず、研究をさせて
もらう身なんですからしっかりそこらへんはKwakwak’wakwの要望にしっかり沿うべきだと思います。
WE Were Humans (Neat flash player about wars and humanity)