CFRL ニュース No. 64          (2006. 3. 10)

Cold Fusion Research Laboratory (Japan) Dr. Hideo Kozima, Director

                            E-mail address; cf-lab.kozima@nifty.com 

                            Websites; http://www.geocities.jp/hjrfq930/

                                     http://web.pdx.edu/~pdx00210/

            Newsのバックナンバーその他は上記ウェブサイトでご覧になれます

 

   常温核融合現象CFP(The Cold Fusion Phenomenon) は、「背景放射線に曝された、高密度の水素同位体(H and/or D)を含む固体中で起こる、核反応とそれに付随した事象」を現す言葉です。

 

  CFRL ニュース No.64をお送りします。この号では、次の記事を掲載しました。

1. Proc. ICCF10が発行されました。

2. Proc. ICCF11が発行されました。

3. 固体中の新しい中性子源が提案されました。

 

1.   Proc. ICCF10が発行されました。

2003年の8月に、アメリカのマサチューセッツ州で開催されたICCF10の報告集が、やっと発行されました。

Condensed Matter Nuclear Science, Proc. ICCF10, ed. P. Hagelstein and S. Chubb, World Scientific, Singapore, 2006 ISBN 981-256-564-7

この論文集の目次を、ウェブサイトのCFRL ニュースNo.64の欄に掲示します。また、P. HagelsteinForewordをウェブサイトのICCF10のページに掲載しました。

http://www.geocities.jp/hjrfq930/Cfcom/Histry/ICCF/iccf10his.htm 

 

2. Proc. ICCF11が発行されました。

2004年の1011月にマルセーユで開催されたICCF11の報告集が、上記ICCF10の報告集に踵を接して発行されました。

Condensed Matter Nuclear Science, Proc. ICCF11, ed. J.-P. Biberian, World Scientific, Singapore, 2006 ISBN 981-256-640-6

kの論文集の目次をウェブサイトCFRL ニュースNo.64の欄に掲載します。また、J.-P. BiberianForewordをウェブサイトのICCF11のページに掲載しました。

http://www.geocities.jp/hjrfq930/Cfcom/Histry/ICCF/iccf11his.htm

 

3. 固体中の新しい中性子源が提案されました。

常温核融合現象の起こる機構については、多くの考察がなされてきましたが、Fisherが最初に用い、それとは独立にKozimaが精力的に探求した中性子の介在した核反応がもっとも無理なく固体内での核反応を説明できるようだというのは、衆目の一致した感想でしょう。その際に、最も多くの疑問が寄せられてきたのが、固体内の中性子の存在でした。

KozimaTNCFモデルでは、背景中性子とその介在した固体内核反応により発生した中性子とを暗に想定していました。最近発表された次の論文では、中性子の自然崩壊の逆反応に相当する、陽子と電子から中性子とニュートリノが生ずる反応によって固体内に中性子が生じ、核反応を起こすという可能性が論じられています。その効率が実際の反応確率を説明するのに十分なのかどうかは別にして、固体内に中性子が生ずる新しい機構として注目されます。

A. Widom and L. Larsen, “Ultra Low Momentum Neutron Catalyzed Nuclear Reactions on Metallic Hydride Surfaces” European Physics Journal C, DOI 10.1140/epjc/s2006-02479-8.

この論文のSummaryを以下に引用します。

Summary

Ultra low momentum neutron catalyzed nuclear reactions in metallic hydride system surfaces are discussed. Weak interaction catalysis initially occurs when neutrons (along with neutrinos) are produced from the protons which capture "heavy" electrons. Surface electron masses are shifted upwards by localized condensed matter electromagnetic fields. Condensed matter quantum electrodynamic processes may also shift the densities of final states allowing an appreciable production of extremely low momentum neutrons which are thereby efficiently absorbed by nearby nuclei. No Coulomb barriers exist for the weak interaction neutron production or other resulting catalytic processes.

 

蛇足。

前から、常温核融合現象の研究スタイルの欠陥ではないかと感じていた、既存のデータを尊重しない風潮が、この論文にも見られます。中性子の存在を前提とした核反応による常温核融合現象の説明は、上記のようにFisherKozimaが10年以上も前から試みてきて、実験データの定性的あるいは半定量的な説明に成功しています。上記のWidom-Larsen論文は、中性子の発生源としては新しいアイデアを提出しているのですが、想定する発生源が違うとは言え、中性子の介在した核反応による常温核融合現象の説明では、既存の文献を引用すべきであることは、言うまでもないことでしょう。